Right Action 番外編

Right Actionの番外編を集めています。
本編読了後にごらんください。

目次

1 Well, Do You Want to? 
『クラフトビール界の風雲児』 『神が二物以上を与えた男』 『財閥の御曹司は、なぜあえて逆風の中に身を置いたのか?』 週刊誌の見出しを声に出して読んでみた。これらはすべて、自分が勤める会社の代表である、影浦仁のことを指している。 「まあ確かに...
2.恋はおしゃれじゃない(前編)
 周平が寿司をごちそうしてくれた帰りのことだった。 「会社の野球部に所属してるんだけど、よかったら悠くんも参加しない?」  その誘いにすぐこたえることができなかったのは、にわかに信じられなかったことが複数あったからだ。 「投げられるのか!?...
3 恋はおしゃれじゃない(後編)
  白いシーツからいつもの匂いがする。影浦のかおりだ。  肌にしっとりと馴染む高級なシーツの上で身じろぎをすると、隣から腕が伸びてきて、項の髪を逆向きに撫で上げられ、首にキスを落とされた。  終わった後、うしろから抱きしめられるのが好きだっ...
4 My man.
影浦が突然「会うたびにセックスしかしないなんて、どうかと思うぞ」といいだし、おれは大いに戸惑った。  答えに困って黙っていると、「お前は本当に、おれのことを…」と何か言いかけたまま黙り、なにも言わずにいると、「出て行け」と出口を指さされた。...
5 王子か王か恋人か(前編)
※影浦退職前の話です 羽田がかねてから付き合っていた、遠距離恋愛の彼女と結婚することになった。  離れている間に風俗、浮気、コンパの三連コンボを連発し、散々浮ついていた羽田がまさか、という気持ちで、おれだけじゃなく千歳も影浦も「マジか」とい...
6 王子か王か恋人か(後編)
 新郎新婦に見送られ、三次会への誘いをなんとか断って店を後にした。影浦もおれもどちらもなぜか不機嫌だったが、実家に帰る選択肢だけはなかったので、友人の家にとめてもらうつもりだった。 「どこへいくつもりだ」  駅前でタクシーを拾おうとする...
7 つれ添う2匹の魚(前編)
(My manの続きです)―成田―  家の前に男が立っていた。  どこかで見たことがあるような気がするが、名前が思い浮かばないから仕事がらみではないはずだ。 「何かご用ですか」  おれの声に、男は腕を組んだままこちらに向き直った。目が合った...
8 つれ添う2匹の魚(中編)
―影浦―  成田の身体には不思議な引力があって、あれほど全身くまなく触って舐めて噛み付いて満足したと思っても次の日にはもう触りたくなる。何故なのか、自分でも分からない。世にも美しい肉体をしているからだろうか?男だが、同じ男でも憧れるほどに成...
9 つれ添う2匹の魚(後編)
―成田―  朝起きてすぐ、ベッドから降りると多和田が土下座していた。 「申し訳なかった。昨日は無礼なことをいろいろ言ったんじゃないか。許してくれ、どうにも、酒を飲むとダメで……」  ベッドに腰かけてその様子を10秒ほど黙って眺めていると、焦...
10 荒野を歩く(前編)
注意書き:※影浦(攻め)の浮気を匂わせる表現があります。(本人にそのつもりはないですが)※受けが攻め以外の人にえっちなことをされる描写があります 最終的にはハッピーエンドですが、上記要素が苦手な方はご注意ください。 どうせ身体だけの関係なら...
11 荒野を歩く(後編)
 腰を抱いていた手のひらが、するすると下がっていく。尻をなでられ、うちももをさすられて、息が上がりそうになった。 「暴れて抵抗して……、殴り合いになって、最後はうつぶせにされて犯されました」  言い終わる前に、羽瀬さんのてのひらがシャツの中...
12 成田さん、指名入りました!(前編)
 成田がバニーボーイのアルバイトをすることになる話です。 続きの最後の方に少しだけモブも交えた3P描写がありますので、苦手な方はご注意ください※ 羽瀬さんからの、「ちょっとお願いがあるんだけど」がいい話だった試しがない。 そう思って身構えた...
13 成田さん、指名入りました!(後編)
 男はコワモテの男数人にどこかへ連れていかれた。姿が見えなくなってすぐ走ってきたオーナーは、影浦の顔を近くで見てへなへなと床に膝をついた。「まさか、成田くんは……この人のイロなの?」 しゃがみこんだおれの耳元でそう問いかけてきた声は震えてい...
14 呪いと本音
★エブリスタでスター限定公開にしているものです。ちょっとファンタジー味なのでご注意ください。   黒いローブを着たみすぼらしい老婆がベンチに座っていた。  ランニングで毎日通る公園だ。もしこの老婆がこの公園の常連であったとしたら、見覚えがあ...
15 短編まとめ①
*影浦×成田の短編をいくつかまとめたものです。Twitterのログみたいなもの。 夢か現か 「お前はおれじゃなくても構わないだろう。すぐに忘れて、楽しく生きられる」 言葉を理解するまで時間がかかっている間に、成田が低い声で言った。 「別れよ...
16 嫌なら食うな その1
 影浦は店の前で立ち止まってこの上なく嫌そうな顔をした。おれは内心、「してやったり」と思った。 「なんでもいいんだろ?」 「……服に匂いが付くだろうが。ほかのものにしろ」  影浦を連れてきたのは、『タコの足』というたこ焼きを自分たちで焼...
17 嫌なら食うな その2
 大晦日だというのにおれたちは仕事をしていた。東京から遠く離れた場所で。  「おい、待て。まさかお前、このおれを屋台に連れて行くつもりなのか?」  ロットを考えると、福岡の屋台群にクラフトビールを卸すことのメリットは少ないのだが、地方の名物...
18 次で降りろ
成田が痴漢に遭う話。もちろん影浦が出てきます。  東京メトロの白金高輪駅に差し掛かったころ、尻に違和感を感じた。何しろ朝の満員電車の中なので、偶然手が当たったのかもしれない、と考えてしばらく放置していたが、明らかにその手は、スラックスの上...
19 起きろ鈴木
ピースオブケイクに出てくる、三嶋顕が医師として出てきます。 成田が実家に帰ろうとした日に起こった事件。基本は影浦×成田です。  目の前で突然人が倒れたとき、おれはとっさに時計を見てしまった。今が何時で、この人を助けている時間はあるのか、そ...
20 人が恋に落ちるのは、万有引力のせいではない
※影浦の秘書、三城視点の影浦と成田です。  三城、とわたしを呼び止める声は、まるで声の仕事を生業にしてるみたいに色気と湿度のある美声なのだが、振り返るとげんなりした。 「ちょっと来い」  顎をしゃくられて溜息をつく。無視したいところだが、彼...
21 There is just one thing I need.
※影浦と成田でハッピークリスマース! 書いたことがなかったので書いてみました。  可能なかぎり甘々にしたつもりです。このふたりだとこれが限界でした  クリスマスというイベントは知っているが参加したことはほとんどない。  家庭は雰囲気が気まず...
22 上司が社長とデキている件
  私の上司はとにかく身体が大きくて無表情な人なので、初めて大きいミスをやらかしてしまったときは怖くてチビリそうになってしまった。ホウレンソウは社会人の常識である。それは私にだってよく分かっていたので、怖くてチビリそうだったけどちゃんと報告...