12 いつも突然やってくる海

 キスのしかたひとつ変わっていなくて笑ってしまった。

 成一ははじめにくちびるを何度か優しく重ねてから、うすく唇を開いて舌を差し込んでくる。一度中にいれると遠慮なくとろとろに溶かされるので、おれはそれを楽しみにしていた。キスに夢中になって頭を抱き込んで密着すると、あの長い指が服を脱がせにかかってくる。器用にワイシャツを脱がせ、下着を脱がせ、寒さで粟立った肌をいやらしく撫でてきた。

――思い出にひたっていたことがバレたのか、後ろから首を噛まれて悲鳴を上げた。
 歯型がつきそうなぐらい強く噛まれ、非難がましい眼で後ろを振り返る。腰を掴んで打ち付けてくる成一は、眉を寄せながらも冷静な顔をしているように見えた。じゅぼ、じゅぶ、という音の合間に肌がぶつかる音がした。トイレのタンクに手をついて立ったまま犯されている自分、という現実がどうもリアリティがなくて、身をよじって感じながらも違和感がぬぐえない。

 ボートの上でセックスするなんて正気を疑うようなことをしてしまった、あの日から毎週、成一はおれを訪ねて抱いて帰った。今のように、散歩に誘われた公園のトイレで犯されることもあったし、ホテルで執拗に揺さぶられることもあったけれど、家(つまり店の二階だ)にだけは入れなかった。セフレを家に入れるなんて冗談じゃない。

「すごい、一保さん、きもちいいの?中、うねうね動いて……すぐいってしまいそう」
「あっ、あ……んんっ、だめ、そこはもう擦るなってば……ああっ、い、いい」

 先端が気持ちのいい場所をしつこく攻めてくる。やめさせたくて腕をつかむと、後ろに強く引かれて視線がぶつかる。
 目が合った。
 苦しそうな顔だ。けれど欲望はぎらぎらと目に宿っている。
 おれも今、同じ顔をしているのだろうか。

 彼氏でもできたかな、と占い師の女が嬉しそうな顔で言った。
「なんか色っぽい顔してるよね、最近」
「恋人は作らない、一生な」
「一生」のところを強調して吐きすてると、ルカざとらしく溜息をついてからおれを見上げた。
「わたしの意見言って良い?」
「ダメだ、黙ってろ——いらっしゃいませ」
 やってきたのは樹と同い年ぐらいの青年のふたりだった。
「うわーうわさのイケメン、まじでかっこいいじゃん」
「おれの母ちゃんが騒いでるだけあるわ」
 ふたりは仲の良い様子でカウンターに座り、アイスコーヒーを注文した。本当に飲めるのか?とからかってやろうかと思ったがやめておいた。どんな年齢でも客は客だ。無駄にへりくだる必要はないが、敬意を持って接しろ、といつも店主が入っていた。
「あててあげようか。元カレと再会した!」
 ほんの一瞬だけ呼吸がとまったことをこの女が見逃すはずがなかった。さすがわたし、新宿の父の愛弟子!と嬉しそうな声で言った。
「他のお客様もいらっしゃいますのでお静かにお願いします」
 唇の端がひくひくする。本当に鋭い女だ。伊達に占い師を名乗っちゃいない。
「聞こえないぐらいの声でしゃべってるでしょ。——それで?やっちゃったの?」
 今度は呼吸が止まるのではなく乱れてしまった。ルカはやれやれというように首を振った。
「街で噂の美男子が、元カレにプリンシパルに元上司に迫られている男殺しのゲイだなんて。町中が悲嘆に暮れちゃうね」
「うるせえぞ。あのな、波留はおれをからかって遊んでただけだし、元上司には迫られてねえし、元カレ……クソッいまわしい呼び方だな。前の男とはなんでもねえよ」
 最後だけは嘘をついてしまった。ルカはすべてお見通しであるというようにニヤリと笑った。
「君はわかりやすいね。最後のは嘘」
 おれが怒る前にルカが立ち上がった。代金をカウンターに置いてから、真剣な顔をしてみせる。
「ねえ、さっき言おうとしたことだけどね。恋って「よし、するぞ」とおもってするものじゃないの。いつの間にかそうなっちゃってるの。だから「一生しない」って宣言とか決意なんてまるで意味ないからね」
 ごちそうさまでしたー、とのんきな声をあげてルカが去っていく。おれは俯いて呼吸を整え、その日の仕事に集中した。

 夜の仕事に向かう前に少しだけ仮眠をとった。眠りは浅く、夢見は悪かったが、休まないよりはマシだ。
 ロードバイクにまたがり、バーに向かう。酒を作るのも接客するのも嫌いではなかったが、なんとなく夜職の怖さを感じるようになっていた。それは主に稼ぎの面で、時給に換算すると昼職のおよそ2倍をもらえることと、ときおり反社会的な人間が出入りしていること、またそれをオーナーが全く気にしていないことなど、これまで自分が「労働」だと認識してきた内容と全く異なっているのが気にかかっていた。
「今日はね、ヴァイオリン弾きに来てくれるんだよ。僕のともだちが紹介してくれた子でね」
 カウンター越しに嬉しそうな顔でオーナーがそう言った。周囲でそれは楽しみだな、と客たちが喜んでいる。
 おれはグラスを磨いて、そうなんですかと気のない返事をした。音楽を聴かない生活を貫いているのに、何か自分にとって意味のあるものが流れたら嫌だな、と思った。心を波立たせないために必死で努力していても、職場でまで徹底することはできない。仕方がない。
「お待たせしました、レッドアイのお客様」
 グラスを置きおわったとき、もともと薄暗い店の照明が完全に堕とされた。数秒のちに、店の奥にもうけられた小さなステージにスポットライトが当たる。
 ほっそりとした青年は黒い帽子をかぶっていたが、観客に向かって頭をさげる時、帽子を外した。その顔をみて、グラスを落とさなかった自分を褒めてやりたい。
「綿谷いつかと申します。本日はよろしくお願いします」
 弓を持ち上げる仕草が記憶の中とまるで変わっていない。彼はおれを「知らない」から、目があうことはなかったが、おれは食い入るように見つめてしまった。いつかがいる。あのとき、暗い目をしていたあいつとは別人のように見えた。
「シャコンヌから」
 無伴奏のヴァイオリン曲、バッハのシャコンヌ。航太郎がたまに弾いていたから、これも聴きたくない曲のひとつだったのに、弓と弦が奏でるその音色は、ただの音ではなく心を揺さぶり貫く鋭い力を持っていた。
 無名の演奏家だとばかり思っていたらしい観客たちは、みな息を飲んで演奏に聴き入っている。稀代の天才、消えた早熟な才能、そんな風に言われていた綿谷いつか——航太郎の生まれ変わりは、かつての彼の夢を目の前でみせてくれる。
 曲の終わりは余韻が残る素晴らしいものだった。拍手をしている観客に、いつかは立ったまま礼をした。
 アップライトピアノの前に人が座る。知らない男だったが、彼はいつかと眼を合わせてピアノを弾き始めた。美しい導入から、ヴァイオリンが入っていく。それらふたつはからまり合い、美しい音色を響かせた。
「美しいな……」
 オーナーがため息をつくように言った。だめだ、と思っても、久しぶりの生の音楽に心が震えた。フランツ・シューベルトの「アヴェ・マリア」はスタンダード中のスタンダードで、ヴァイオリン曲の中ではメジャーなものなのに、唯一無二の音色だった。それはいつかの音色だ。他の誰かのものと全く違う。
 エルガーの「愛の挨拶」をきいたら、もう我慢できなかった。
 熱いものがこみ上げてきて目から落ちる。人生が苦くても、ままならなくても、音楽は変わらず美しいし心に響いてくる。それが嫌で逃れたかった。それなのにいま久しぶりにきいた「愛の挨拶」に呼吸を楽にしてもらったとすら思えた。航太郎が好きだったあの曲を、いつかが伸び伸びと、この上なく素晴らしい演奏で弾いてくれたことで、自分の過去が報われた気がした。
 演奏が終わり、拍手をして店の電気がつくと、綿谷いつかは忽然と姿を消していた。「彼はとてもシャイなんだ」とオーナーが苦笑していて、ひとことでも声をかけたいと思ったおれはひどく落胆した。
「彼は一度表舞台から姿を消して、干されていたんだよ。本当は母親から逃れるためだったんだけどね」
 オーナーは一呼吸置いてから、深刻な顔でおれに言った。
「夜職はね、一度入るとなかなか抜けられない。僕は君にずっといてほしいけれど、君は……本当は太陽の下で働くほうが向いているんじゃないかな」
 遠回しのクビか、と思ったおれは、黙ってドアの方をみた。確かに、自分には向いていないかもしれない。どことなく体になじまないのだ。
「違うよ、君をクビにしたいってわけじゃなくて。いてほしいんだよ。でも、なんとなくここに引き止めちゃダメな子なんだろうなって思ってるだけなんだ。だから君が辞めたくなったら、いつでも言ってね。無理はしないで」
「……あと少しだけ、お世話になってもいいですか」
 おれの頼みに、オーナーは目を細めて手を伸ばし、肩を撫でてくれた。「もちろんだ」
 オーナーが立ち去り、時計の針が0時を過ぎた頃、ルカがやってきた。彼女はこの店の常連で、毎週水曜と土曜、占いの出張をしているのだ。
「占ってあげる」
「いらねえ」
 このやり取りは毎回のことなので、周囲の常連もみな笑った。もう諦めなよルカちゃん、と冷やかしの声も上がった。けれど彼女は諦めなかった。
「ダメ。今日という今日は絶対占う」
「嫌だって言ってるだろう」
「わたしは客よ」
「帰れとは言ってない。占われたくないって言ってんだ」
 もう諦めて占われてあげなよ、と周囲が同情的な声を上げる。おれは占いやまじないの類が大嫌いで、特定の神も信じていない。何度もそう説明しているのに、ルカは本物だからとみんなが言う。
「わかった。じゃあみなさんが帰られてから1対1で占ってもらいますよ。次何飲まれますか?」
 ごまかそうと企んだのだが逆効果だった。そういえばそろそろ終電が、などと言いながら、ルカ以外の客が次々と店をあとにしたのだ。
「損害賠償を請求するぞ……オーナーが」
「いいわよ、オーナーなら」
 すっかり暇になった店のカウンターの中から外に出る。ルカが座っているスツールの隣に腰掛けると、彼女は生き生きと「何で占う!?」と話しかけてきた。
「タロット?六星占術?手相?」
「なんでもいいから早くしろ」
 ルカはタロットカードを取り出して占いはじめた。カードをシャッフルし、縦に2枚、裏返したまま列べる。
「タロットにはいろいろな占い方があるけど、店長は面倒なの嫌いでしょ。これはね、ツーマインドっていうの。上下に2枚並べたカードは、恋占いによく使うよ。まあプロはもっと六芒星とか、ケルト十字とかつかうんだけど……絶対おとなしく待ってないだろうし」
 おれは黙って顔を背けていた。カードにも占いにも興味がない。ルカはここらで有名な「当たる占い師」らしいが、おれはそういったものを信じないし、適当に聞き流すつもりだった。
「まずは店長の今の状況を占ってあげる」
 カードをめくる乾いた音がする。おれはまだそこを見ていなかったが、正位置の吊るされた男のカードね、とルカが言った。吊るされていようが振りまわされていようが、おれにとってはどうでもいいことだが、ルカは思わせぶりに舌なめずりして腕を組んでからおれを見た。
「どうせよくねえカードなんだろ」
「それは素人の意見だね。これは、悪いカードじゃないんだよ。挫折や失敗、うまくいかないことがあっても、報われることが暗示されてるカードなんだよ。今はうまくいっていない、辛いおもいをしているのかもしれないけど、未来につながっていく可能性が示されている」
 多分鼻で笑うような顔をしていたのだろう、ルカが頬をふくらませた。「このカードは12という数字が使われているでしょう?12というのは一年のめぐりを表している。12月で一年がまわるから、いろいろな占いにおいて12というのは大きい意味を持つの。1、2、3、4の最小公倍数でもあるでしょう、完璧な数字だよ。奉仕、自己犠牲、その結果いまあなたは硬直状態にある」
 占いなんか信じない、と強く思っているが、ルカの言葉はとても美味い。さすがプロの占い師だ。人の心を惹きつけ、引き込む能力に長けている。
「じゃあ次は未来のカードを弾くね」
 ちらりと眺めたカードには、何か棒を持っている男が、いま旅立とうとしているようなカードが逆さまになっている。
「これは愚者のカードだよ。逆位置だから……、そうだね、自分の愚かさに気づく、というような意味になるかな。自由を意味するカードなんだけど、正位置ならばこれから始まる恋愛を指し示している。これは逆位置になるから、未来のことを考えるべき時が来ている、という警告になるね。恋愛なら、無責任な恋愛、将来が見えない交際に気をつけなさい。そういうサインが出てるね」
 そんな馬鹿な、と思いつつも驚いてしまった。しょうもない絵が書いてあるカードを引いただけで、おれの何がわかるんだ、という反発心と、やはりどこかに占い、神的なものは存在しているのかもしれない、という思いがぶつかり合って揺れた。
 こういうおれの顔がまたコールドリーディングの材料にされてしまう。そう分かっていても、しばらく何も言えずにいると、ルカが「お代のかわりにウィスキー一杯でいいよ」とにっこり笑った。
 スツールから立ち上がって、黙ってウィスキーを注いでやる。こいつがキープしているのは海外のブレンデッドだが、実に美味そうに、味わいながらグラスを傾けた。それから、黙ってグラスを磨き始めたおれにむかって、小さい声で言った。
「前に店ですれ違った人。あの人が店長のことを変えちゃった人なんでしょ。背の高い……、とても感じのいい人だった」
 おれが何かを言う前に、ルカがグラスの底にむかって呼びかけた。
「やめときなよ。あのひと指輪してた。誰も幸せにならないよ」
 いろいろな言葉が浮かんできては消えて、最終的に口をついて出たのはあまりにも凡庸な内容だった。
「そうだよな。でも会ってしまうと……ダメだったな。自分がこんなにもバカだとは思わなかった」
 手を洗い、店じまいの用意を始める。
「この街に来た時みたいに、またどこかに逃げちまうかな」
 冗談のつもりだったが、ルカが鼻をすする音がした。
「もし本当にそんなことしたら、死ぬまで呪うから」
 恋愛は一生しないつもりだったけれど、友達ができたことは嬉しかった。こんな風に、自分のことのように心配してくれて、声をかけてくれる友人ができてよかった。もし自分が明日いきなり死んだとして、ひとりも泣いてくれる人がいないのは悲しすぎる。少なくともルカは、身内に知らせたり、少しの涙を流したりはしてくれるだろう。
「ルカに会えなくなるのはほんの少しだけ寂しいから、出て行くのはやめにするよ」
 テーブルを拭き、あさっての方向を向いたまま伝える。ルカはグラスの中身をカラにしてから、「ねえ、おごるからさ、あの人とどんな恋愛したのか教えてよ」とささやいた。

 おれは自転車を押して、ルカは歩きで、家へと向かった。どうせとっくに電車はなかったし、話をするのにはちょうどいい距離だった。
 タイムリープのことを説明する気力や勇気はなかったので、成一との出会いや、どんな風に付き合っていたか、ぽつぽつと思いつくままに話した。ルカは相槌を打つ以外、黙ってきいていた。質問や意見は一切挟まなかった。
 ひとおおり説明し終えたころ、ルカは長いためいきをついてからおれを見上げて言った。
「うらやましいな。そこまで人を好きになったことないから」
「何がうらやましいんだよ。こんな、いい年して安定した収入もないような男、婚活市場じゃ価値ゼロだぞ」
「おまけに元彼と不倫してるし?」
「不倫までいってねえな、せいぜいセフレか便所って感じ」
 自分で言ってて笑えてきた。ルカは遠慮せず笑った。
「大丈夫、店長か顔がかっこいいからそのきれいな顔があれば女の人が養ってくれるよ。元彼なんか捨ててヒモになっちゃえ」
「それが残念なことに女性じゃたつものもたたねえんだよなあ。本当にストレートに生まれてりゃあよかった」
 家が近づくにつれ、声が小さくなりはしたが、歩くと一時間半ほどの道のりで会話に困ることはなかった。夜のしんとした空気はお互いの親密さを深めるのに役立ちこそすれ、邪魔にはならなかった。
「私ダメなんだよね。男も女も、どっちもさほど好きになれないの。性欲を感じない。人間として好きになることも興味を持つこともできるんだけどね。セックスしたいって思えないの。誰にもそんなに深く触ったり触られたりしたくない。けど別に幸せだし満たされてるの、誰にもわかってもらえないけど」
 だから、そこまで自分を燃やしてボロボロになったことない。一度でいいからそんな風になってみたいな。
「生き方に正解なんかないし、ひとそれぞれだろ。おれはお前が美味そうに飯食って幸せそうにしてればそれでいいよ」
 ルカが自転車をおしていない左手をそっとつないできたので、おれも握り返した。やわらかくて小さい手だった。心がなにか暖かいものでみたされるような感じがした。
「人間はひとりでうまれてきてひとりで死ぬのに、どうしてひとりでいきるのが寂しいようにできてるんだろうね」
 問いかけというよりは自分自身に話しかけているような声だった。自宅の明かりがみえてきたのを遠目に確認して、おれは自分の考えを述べた。
「繁殖させるためだろうな。本当に孤独に強い個体ばっかりだったら、人間なんかすぐ滅びるだろ」
「ロマンのかけらもない回答!!でも、そっか。そう考えたらしょせん人間も動物にプログラミングされた本能に従っているだけなんだ。寂しさについて深く考える意味なんかないんだね」
 店の前についた。ルカを送っていくために通り過ぎようとしたけれど、彼女は首を振った。
「すぐそこだから。あのね、お願いがあるの」
「なんだよ」
「さびしいときは呼んでね。わたしは店長になんの下心もないから、元彼やプリンシパルやDKみたいに、あなたを搾取したりしない。ただそばにいて、本当か嘘かわからない占いをしてあげたり、コーヒーを飲んであげたり、となりでいっしょに寝てあげる」
 笑ってしまった。得意げな様子なことがますますおかしい。
「恩着せがましくすんな。——でも、ありがとな」
 ルカの手のひらにキスをしてやると、彼女はくすぐったそうな顔をした。
「おやすみ」
 手を振り、彼女がすぐそばの曲がり角を曲がるまで見送る。角のすぐそば、2回建てのアパートがルカの家だ。彼女の家の明かりがつくまで暗い道路で見守ってから、店のドアをあけて息を深く吸い込んだ。
「遅かったな」
 電気をつけると、先日激しめのセックスをした元上司がカウンターに浅く腰掛けていた。

「身内の葬式があって帰ってきた。ついでに休暇を取ったから、しばらく泊めてくれ」