もう一度むすんで 22 旅立ち 旅館を抜け出て、砂浜に寝ころぶ。今日は満月で月明かりがまぶしく、星はあまり見えない。 海の匂いと生ぬるい潮風が顔を撫でていく。眠れない夜は潮騒のなかに身を置くのが一番だった。「約束が違うんじゃない?」 目を開いて、すぐ近くに女の顔があった... 2022.03.11 もう一度むすんで